先日の記事に続いて今回はアニポケ第二話「はじまりのペンダント後編」についてのレビューと全体の総合的な評価をまとめたいと思います!まだ前回の記事を読んでいない方はこちらの記事も是非目を通してみて下さい!!
謎のポケモン登場!
前回、ソウブレイズのサイコカッターがリコたちに襲い掛かったところでリコのペンダントがバリアを形成。しかも、なんとバリアの中ではかわいらしいカメのようなポケモンが姿を現します・・・このポケモン、ゲームでも未登場であり、正体は謎に包まれていますが、恐らく「ポケットモンスター スカーレットバイオレット」のダウンロードコンテンツである『ゼロの秘宝』の『後編・藍の円盤』に出てくる「テラパゴス」の進化前という説が有力です。このようにアニメ初回で先行要素が出てくるのは、アニポケ無印の第一話でホウオウが登場したのと似ており感慨深いです。
リコの"始まり"
リザードンに抱きかかえられたまま上記のセリフをリコは言い、満月を掴むポーズを取ります。
前編でも月に手を伸ばそうとするシーンがありますが、その時は
と言っています。このときはニャオハとの絆も十分に深まっておらず、リコ自身も不安でいっぱいでした。
すなわち、ここでの月は「リコとニャオハ」の心の距離を示しており、後編ではニャオハとの絆を確かめることができたため、「始まった気がした」というセリフに繋がってくるわけです。
ライジングボルテッカーズ登場
しばらくすると、飛行船に到着。
ポケモンの映画だとよくこんな感じの乗り物やらメカやらが登場している印象ですが、通年のアニメで登場するのは結構珍しく感じます。作画が大変そうです...
フリードの仲間、ライジングボルテッカーズが登場します。最初、筆者の考えとしては仲間キャラを増やし過ぎるとキャラクターの深堀が上手くできず、作品が中途半端になってしまうのではないかと不安だったのですが、初回放送を見た感じ、各々の登場人物がそれなりにキャラが立っていたのでそこは良かったと思います。
今後に期待です。
圧巻のバトルシーン:ピカチュウvsソウブレイズ
本シリーズの期待要素、バトルシーン。実は「ポケットモンスター」の新シリーズではアクションディレクターに矢嶋哲生さんが参加しているのがポイントです。矢嶋さんは「ポケットモンスターXY」シリーズにて監督を担当していた方で、実際同シリーズはバトルシーンにかなりの定評がありました。単純な作画のきれいさだけでなく、カメラワークやアングルなど、重みやスピード感が鮮やかに描かれている点で歴代のポケモンシリーズではかなりの高評価を得ています。今回の「リザードンvsソウブレイズ」「ピカチュウvsソウブレイズ」でもXYの時のバトルシーンを彷彿とさせるダイナミックさが表現されています。
ピカチュウの「ボルテッカー」のシーン。やっぱりピカチュウと言えばボルテッカーですね!かっこいいです!
ニャオハの「このは」のシーン。リコとニャオハの想いが一つになったことで非常に威力の高い技を出すことに成功します。もはや「リーフストーム」。この「このは」も、もしかすると物語の重要なカギを握る要素になりそうです。
OP「ドキメキダイアリー」
最後に本シリーズの「ドキメキダイアリー」が流れました。今までのサトシが主役を務めてきたシリーズのOPが「熱く、ガンガン攻めるぜ」という感じの雰囲気であったのに対し、今回は曲調がかわいらしく「不安いっぱいだけど、頑張ろう」というようなまさに思春期の感情を表現した曲になっています。主人公が女の子ということもあり、作品にはかなりマッチしていていい感じだと個人的には思いました。
また、アニメーションもかなりヌルヌル動いて非常に好印象です。特に、サビの部分の迫力は素晴らしかったです!
総評
約26年間主役を務めてきたサトシから主人公の役目を受け継いで始まったアニメ「ポケットモンスター」新シリーズ。初回を観る前まではかなり不安だったのですが、いざ観てみるとかなり楽しむことができました。具体的に良かったところと気になるところをまとめてみます。
良かったところ
感情移入のしやすさ
リコの性格が「いつも考え事をする」性格ということもあり、物語全体を通してモノローグでの表現が多めです。初回ですので、主人公がどのようなことを考えて、どのような行動を起こすのかが、丁寧に描写されているので視聴していて納得感を持つことができたのがまず一つポイントです。
キャラが立っている
主人公のリコをはじめ同室のアンやフリード、アメジオなど割とそれぞれの役割が明確でかつ、個性を出せていたのでそこは非常に良かったです。
作画の安定感
初回だからということもあるかもしれませんが全体を通して日常シーン、バトルシーンの安定感が素晴らしかったです。またキャラクターデザインもいいので純粋に観る気が削がれない、むしろ観たくなるような気分にさせてくれるのも高評価です。
ピカチュウの安心感
正直物語が始まる前までは大谷さんが演じるピカチュウを出してしまったら、物語として中途半端に前シリーズを引きずってしまうのではないかと思っていました。しかし、いざ始まってみると、サトシのピカチュウとも演じ分けがしっかりされていて、「これはこれでいいな」と思わせてくれるような安心感を感じました。「アニポケ=ピカチュウ」なのでうまい具合にその流れを汲むことことができたと思います。また、サトシのピカチュウと異なり、「かみなりパンチ」や「ボルテッカー」など物理型で差別化を図っているのも良かったです。
気になったところ
説明不足
これは一概に悪いとは言えないと思いますが、物語一時間を通じて、「なぜリコのペンダントが狙われているのか」「登場人物の目的は何か」が一切描かれていなかったのが少し気になりました。個人的には「続きが気になる!」というポジティブな想いが勝ったのですが、中にはストレスを感じる方もいるかもしれません。
ダブル主人公なのに登場人物が多い
現状、ロイが登場していませんが、今後ロイが物語に合流してリコとロイがW主人公を担うとなるとそれぞれのキャラクターの深堀が上手くいかず、新無印のようなことにならないか若干不安が残ります。現状はキャラの個性をしっかり表現できていると感じたのですが、今後もこの状態を上手くキープできるかは注目です。
リコの性格
リコの性格が内気ということもあり、サトシのような「明るく活動的ないかにも主人公タイプ」のキャラを想定していると、そのギャップであまり視聴する気になれない人もいるかもしれません。ただ、ロイがその役割を担っており、アニポケの制作陣としても正確が真逆のリコとロイをW主人公にすることでバランスを保とうとしている狙いがあると思うので、今はそこまで心配しなくてもいい気がします。
物語としての「目的」
先述の「説明不足」ということとも関係しているかもしれませんが、物語を通じてそれぞれのキャラが何を目指しているのかが現時点では判明していません。従って、雰囲気を楽しむ分には面白いけど、中身はうーん。となってしまう可能性が捨てきれません。個人的には、まだ物語の序盤中の序盤ですので、これからの展開に期待して待つべきだとは思いますが、事前に判明している情報で「リコは自分の夢を物語を通じて探す」とのことらしいので、その夢を探す過程で小目標を徐々に達成し、リコが自分なりの軸を持って主体的に行動していく様子を描写できると作品としてもいいものになるのではないかと思います。
カントー地方がスタート地点の理由
なぜパルデア地方ではなくカントー地方がスタートなのか、全ての地方を舞台にしたのはなぜか、物語の鍵を握る伝説のポケモンがホウエン地方の伝説であるレックウザなのはなぜか、オリジナルキャラクターしか登場していないのはなぜか、など舞台設定の背景がイマイチ読み取れず(読み取れないのが悪いかもしれない)、設定を上手くいかせるのか、消化不良で終わらないか、心配が残ります。ただ、物語はまだまだこれからであり、先述の疑問が納得のいく形で解消される可能性もありますので、そこはまだなんとも言えません。とにかく今後に期待です。
以上で総評を終わります。これからのアニポケにも目が離せません。引き続き楽しんでいければなと思います!!
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